それ、本当? | | 更新: | TrinityStyle編集部 | 6分で読める

星4.5でも後悔する——通販レビューの正しい読み方

星4.5でも後悔する——通販レビューの正しい読み方

通販サイトで家電を選ぶとき、多くの人がまず平均評価を見ます。星4.5なら安心、星3.5台なら避ける。この判断は速くて便利ですが、買ってから「思っていたのと違う」となる原因にもなっています。

問題はレビューが嘘だからではありません。平均という数字が、判断に必要な情報を落としてしまうところにあります。

平均評価は分布の情報を落とします。星5と星1が混在する製品も、大多数が星4の製品も平均は同じになり得るため、自分がどちらの側に入るかは平均値からは判断できません。

平均4.5には2種類ある

同じ星4.5でも、評価の内訳がまったく違う商品があります。この違いが、買った後の満足度を分けます。

たとえば次の2つは、平均するとどちらも4.5前後になります。

評価Aタイプの商品Bタイプの商品
星560%55%
星435%15%
星34%8%
星21%7%
星10%15%

Aは、ほぼ全員が満足している分布です。Bは、大多数が高く評価する一方で、一定数が強い不満を持っている分布になります。後者は、特定の条件で問題が出る製品にしばしば見られる形です。

たとえば動作音の大きさ、サイズの想定違い、特定の環境で使えないといった性質は、気にする人には致命的で、気にしない人には無関係です。平均値はこの分岐を平らにならしてしまいます。

見るべきは平均ではなく分布であり、その中身です。星1が一定割合ある商品は、避けるべき商品ではなく「自分に合うかを確認すべき商品」と考えるほうが正確です。

高評価だけが目に入る仕組み

購入前に低評価を読まなかった、という後悔はよく起こります。これは注意力の問題というより、表示のされ方と読み手の心理が重なった結果です。

多くのサイトでは、参考になったと投票された順や新着順でレビューが並びます。上位に来るのは詳しく書かれた高評価であることが多く、低評価は下のほうに沈みます。加えて、購入を決めかけている状態では、自分の判断を支持する情報のほうが目に入りやすくなります。

したがって対策は、意識ではなく手順に置くほうが確実です。並び順を変える、あるいは星2〜3だけを絞り込んで先に読む。この操作を先に済ませてしまえば、心理の影響を受けにくくなります。

サクラレビューは規制の対象になっている

レビューの信頼性については、制度の側も動いています。事業者が広告であることを隠して表示させる行為は、現在は法律違反です。

消費者庁は、令和5年10月1日からステルスマーケティングを景品表示法違反としました。規制の対象となるのは商品・サービスを供給する事業者(広告主)で、依頼を受けたインフルエンサーなどの第三者は対象外とされています※1。対象はSNSの投稿やレビューだけでなく、テレビ・新聞・雑誌などあらゆるメディアの表示に及びます。

この規制が問題にしているのは、事業者が関与を隠すことです。裏を返せば、広告であることが明示されていれば規制の対象ではありません。読み手としては、レビュー欄や投稿に提供・モニターといった表記があるかを確認する意味があります。規制の詳細な考え方は、消費者庁がQ&Aとして公開しています※2。

レビューから判断材料を取り出す手順

読む順番を決めておくと迷いが減ります。平均を見るのは最後で構いません。

  1. 星の分布を確認する——平均ではなく、星1と星2の割合を見ます。ここが厚い商品は、条件しだいで評価が割れる製品です
  2. 星2〜3を先に読む——欠点が具体的に書かれているのは中間評価です。星1は初期不良や配送の話に寄りやすく、製品そのものの性質が読み取りにくくなります
  3. 指摘が自分に当てはまるか判断する——動作音が大きいという指摘は、寝室で使うなら致命的で、リビングなら許容範囲かもしれません
  4. 同じ指摘が繰り返されているかを見る——複数のレビューに同じ欠点が出てくる場合、個体差ではなく製品の性質である可能性が高くなります
  5. 最後に平均と件数を見る——件数が極端に少ない場合、平均そのものがぶれやすいと考えます

この手順の要点は、レビューを評価としてではなく、仕様の補足として読むことです。カタログに載らない使用感の情報が、レビュー欄には落ちています。

まとめ

星4.5の商品を買って後悔するのは、レビューが嘘だからではなく、平均値が分布を隠すからです。同じ4.5でも、全員が満足している商品と、評価が割れている商品があります。

やることは単純です。平均より先に分布を見て、星2〜3の中間評価から欠点を拾い、それが自分の使い方で問題になるかを判断する。この順番に変えるだけで、購入後のずれはかなり減らせます。事業者が関与を隠したレビューは規制の対象になっている、という前提もあわせて押さえておくと読み方が安定します。

参考文献・出典

※1 : 「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」 |消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/stealth_marketing

※2 : 「ステルスマーケティングに関するQ&A」 |消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/

よくある質問

評価が高い商品を買っても後悔するのはなぜですか?

平均評価は分布の情報を落とすためです。星5と星1が混在していても、大多数が星4でも、平均は同じ4.5前後になり得ます。前者は合う人には最高で合わない人には最悪という製品で、自分がどちらに入るかは平均値からは分かりません。判断材料は平均ではなく低評価の中身にあります。

サクラレビューは法律で規制されていますか?

事業者が広告であることを隠して表示させる行為は、令和5年10月1日から景品表示法違反となりました。規制の対象は商品・サービスを供給する事業者(広告主)で、依頼を受けたインフルエンサーなど第三者は対象外です。対象はレビューやSNS投稿に限らず、あらゆるメディアの表示に及びます。

レビューはどこを見れば失敗を減らせますか?

星2〜3の中間評価を先に読むのが有効です。星1は初期不良や配送トラブルの話に寄りやすく、星5は満足の表明が中心になりがちですが、中間評価には良い点と悪い点の両方を含む具体的な記述が集まります。そのうえで、指摘されている欠点が自分の使い方で問題になるかを判断します。